The Outsiders(アウトサイダーズ) セル・ナンバー8 ?
レコード・コレクターズ誌の連載記事に Music Goes On という、
若手ミュージシャンの音楽的ルーツを検証するコーナーがあります。
毎月読ませてもらいながら、
今の若い世代は、国内外で半世紀以上にわたって作り上げられた音楽を、
俯瞰的に見渡して、自由に素材としてチョイスできている事を、
羨ましく感じています。
そこで、初めて知ったのが、60年代オランダのガレージバンド
The Outsiders (アウトサイダーズ)
記事では、Blue Cheer (ブルー・チアー) と並んで取り上げられていたもので、
これは聞いておかねば… と、
早速、日本のオールデイズ・レコードの紙ジャケ盤を入手。
![](https://i0.wp.com/yoo-gto.com/wp-content/uploads/2024/01/im094.jpg?resize=1024%2C595&ssl=1)
オランダでは、かなりメジャーなバンドだったようですが,
1967年の1stアルバムは、ガレージ系というより、
初期のR・ストーンズや、The Pretty Things (プリティ・シングス)に近いバンドでした。
ブルー・チアー的なインパクトを期待していたので、
すこしはぐらかされた様な気分…
ブルー・チアー(Blue Cheer)については、
『U.S.PUNK 前史③ ブルー・チアー – Blue Cheer』
で、紹介しています。
でも、一つ大きな収穫がこの曲
“Won’t You Listen”
石井聰亙監督の1982年作品『爆裂都市(バースト・シティ)』の劇中バンド、
ザ・ルースターズとザ・ロッカーズのメンバーが合体した
バトル・ロッカーズの「セル・ナンバー8」の元ネタじゃないですか!!
バトル・ロッカーズには、ザ・ルースターズの大江慎也、も参加していますが、
メインのボーカルはザ・ロッカーズの陣内孝則です。
現在の俳優のイメージとは違い、かなりアブナイ役柄です。
『爆裂都市(バースト・シティ)』は、
これは暴動の映画ではない。映画の暴動である
というキャッチコピーのとおり、
“作品の7割は暴動シーン”とも言えるカルト・ムービー!!
![](https://i0.wp.com/yoo-gto.com/wp-content/uploads/2020/08/hqdefault.jpg?resize=480%2C360&ssl=1)
戸井十月、町田町蔵(康)、ザ・スターリン、泉谷しげる、
上田馬之助、麿赤児、平口広美、篠原勝之、南伸坊 …
キャストなかなかトンデモナイものです。
「セル・ナンバー8」は、元ネタを超えるインパクトです!!
こんなカバーも見つけました。
第8病棟というめんたいロックのカバーバンド
ボーカルとギターの女性・Mah(マー)さんは、女優の小川眞由美の娘さん。
やたら音数の多いベースがすごい!
今回は、The Outsiders (アウトサイダーズ)より、
バトル・ロッカーズの「セル・ナンバー8」の話になってしまいました…
初期のR・ストーンズや、プリティ・シングス等の、
(今回のアウトサイダーズも…)
ブリティッシュ・ビート・バンド。
サーフ・バンドから、サマー・オブ・ラヴの時代を経て、
サイケデリック、アシッド、マーシャル・アンプの爆音の壁…
といった要素を取り込んだ、
アメリカのムチャクチャなローカルバンド。
どちらも、60年代のチープな録音環境から生み出されたことで、
一口に、ガレージ系と言われてしまっていますが、
個人的には、後者の方に “ROCKの初期衝動”
とも言えるインパクトを感じてしまいます。
…というわけで次項
『60年代U.S.爆音バンド』は、そのあたりを…