三波春夫 ハードコア浪曲ラップ!? 俵星玄蕃

昭和を代表する歌謡浪曲の御大
三波春夫大先生

2001年に亡くなるまで、いわゆる歌謡曲とは一線を画した
創作芸能ともいえる、歌謡浪曲のジャンルを確立してこられました。

子供の頃、毎年の大晦日、紅白歌合戦の白組のトリで、
和服をビシッと着こんで朗らかな笑顔で立ちまわる三波先生のお姿!

白黒のテレビ画面の質感昭和30年代の空気感と共に、
今でも記憶に焼きついています。

しかし、中学・高校生となると、
ロックだフォークだ、なんだかんだ…と、
生意気なガキには、縁遠い存在になって行きました。

そして、大学に入ってすぐの頃。
学内サークルが主催する
“レコード・コンサート”なる物が有りまして…

学内の教室などの会場を借りて、
テーマに沿ってレコードをかけるだけのものなんですが、
今のDJの様な軽いノリでは無く、
レコードをかける方も聴く方も、静かで真剣でした。
(当時のJAZZ喫茶のように)

そこで、
John Coltrane (ジョン・コルトレーン)
Grateful Dead (グレイトフル・デッド)
Jefferson Airplane (ジェファーソン・エアプレイン)
等と一緒に、唐突に流れたのが、
三波春夫先生

 “俵星玄蕃” (たわらぼしげんば)

「どないなっとんねん?!」

という選曲では有りますが…
思わず、聴き入ってしまいました!

子供の頃テレビで見た、
演歌・歌謡曲のイメージとは違う、
歌謡浪曲という“歌藝”のパワーに、
ただただ圧倒されてしまいました。

そしてその後 1977年1月18日
当日、大阪では
Lynyrd Skynyrd (レイナード・スキナード) at 大阪厚生年金会館ホール
三波春夫歌謡ショー at うめだ花月劇場

という2大イベント(??)が、
バッティングしておりました。

大学のサークルでは、二手に分かれて
夫々のイベントに行く事に…

わたしはと言えば
先輩二人と、迷う事無くうめだ花月劇場へ!!

 しかし、今になって考えると…

レイナード・スキナードは、
飛行機事故の前のオリジナルメンバーでの
最盛期のライブ!!

うめだ花月劇場公演は、その日一日限りでは無く
ロングラン公演だったはず。

 なんでわざわざ、その日に行くかなぁ…

 レイナード見とけば… 
 トリプル・リードのフリーバード聴けたしぃ…

いや…いや、いや、いや、いや、いや !!!!

三波春夫大先生の、
現役時代の舞台をこの目で見れたんだから!!

こういうあほなノリでなければ、
まず足を踏み入れないうめだ花月で!!

第一部は、お芝居
第二部が、歌謡浪曲ショー
という、大衆演芸を絵に描いたような構成。

70年の大阪万博のテーマ 「世界の国からこんにちははもちろん、
ルパン3世の劇場版アニメ第1作のテーマ 「ルパン音頭」 
“おーれーはルーパンだーぞぉー”って… とんでもない曲も…

しかし何といっても、
(レイナード蹴っても)ぜひともライブ体験(?)したかったのは
三波歌謡浪曲のキラーチューン(?!)

 “俵星玄蕃” (たわらぼしげんば)!!!

赤穂浪士の討ち入りに加勢する
そば屋に身をやつした槍の達人俵星玄蕃

うねりのある浪曲の節回しに乗せて繰り出される
長いセリフのリズムは、ハードコアかメロコアか!?

サク…サク、サク、サク、サク、サク !!!!

この言葉の名人芸の前では、
きょう日の猿真似ラップなんぞ、

聴けたもんじゃぁございません!!

この衝撃と言ったら、まさに…

“浪曲界のBlue Cheerブルー・チアーやぁ!!”

(もうちょっと解り易い表現は無いものか… 我ながら…)

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