永遠の桃源郷・九鬼谷温泉 – 『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の八・1986年 )
1986年 掲載作品
第320話~第369話 全50話
単行本(マンサンコミックス)の第35巻の7話目から第41巻の2話目まで。

1979年発表の作品30話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の一・1979年 )
1980年発表の作品50話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の二・1980年 )
1981年発表の作品48話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の三・1981年 )
1982年発表の作品48話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の四・1982年 )
1983年発表の作品42話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の五・1983年 )
1984年発表の作品51話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の六・1984年 )
1985年発表の作品50話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の七・1985年 )
この年、1986年の2月から3月にかけて、立て続けに映像作品としての『まんだら屋の良太』が公開された。
①NHK銀河テレビ小説
1986年02月03日~21日 全15回
脚本:筒井ともみ 大山良太(杉本哲太) 秋川月子(石野陽子)

放送された当時、わたし自身も何回か観ていたはずなのだが… 正直、ほとんど記憶に残っていない… しかし、ジョニー大倉が板前役で出演していた事だけは覚えており、NHKの出演者のデータを見る限り…
逆さラッキョ(竹中直人) 白川ルミ(吉田康子)
第5話 『聖職は性色?』
平山時次郎(ジョニー大倉)
第13話『谷間の百合』
直美(会沢朋子) 直美の叔父(梶本潔) 直美の叔母(藤山喜子)
第45話『胡蝶の舞い』
貫吉(由利徹) 久子(遠藤響子) 一人(小谷豪純)
第169話『穴』
等の登場人物から判断して、原作に基づいたエピソードが盛り込まれていたことが伺い知れる。
また、リョウタタヌキも登場していたと記憶しており、かなり原作の世界観を尊重した作品と言えるのではないだろうか。(さすがに、NHKでの放送ということもあり、“艶笑” の部分はかなり控えめ??)
漫画サンデー誌上では、
1986年 1月21日号では、放送に先駆けての告知。
2月11日号、2月18日号、2月25日号では、表紙に3週連続掲載。

2月11日号では「九鬼谷温泉紀行」、2月18日号では「挿入歌発表」と、2週連続で巻頭カラーで特集。更に、2月18日号の第325話『好きにならずにいられない』は、通常より6ページ増の30ページで掲載。

左:1986年 1月21日号での先行告知。 右:2月18日号でのテレビ放送開始とレコード発売の告知。
②劇場版映画
1986年3月15日公開 配給:ニューセレクト
監督:石山昭信 大山良太(澤登伸一) 秋川月子(林美和)

この映像作品については、わたしは未確認の為コメントのしようがないが… 資料を見る限り、原作の世界観はあまり生かされていない様である… 安易な青春コメディーとなっているとの評価も見かける…
漫画サンデー誌上では、
1986年 3月25日号では、表紙と巻頭カラーで “誌上ロードショウ” を掲載。

1986年 3月4日号、3月11日号では、映画試写会ご招待の告知を掲載。
3月18日号、4月1日号、4月8日号では、単行本250万分突破と劇場版映画の告知を掲載。

左:映画試写会ご招待の告知。 右:単行本250万分突破と劇場版映画の告知。
今回も、下の様なフォーマットで各話を紹介する。
第〇〇話 『各話・タイトル』
週刊漫画サンデー 1981年 〇月 〇日号掲載
マンサンコミックス〇巻 第〇話 ( 筑摩コミック文庫〇巻 第〇話 ) 
扉絵左枠のオリジナル・キャチコピー
● 初登場 (或いは主要) 登場人物 – 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
● 初登場 (或いは主要) 登場人物 – 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇 ーー(コメント)ーー 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。
第320話 『饅頭』
週刊漫画サンデー 1986年 1月 7/14日号掲載
マンサンコミックス 35巻 第7話

久美子の母にとって、なつかしき男が九鬼谷にやってきた。久美子もいつしかこの男に魅かれ……。
● 譲次 – 田代屋の次男坊。
年末の九鬼谷温泉。年明けの1986年(寅年)には36歳を迎える饅頭屋 “貴多本” の久美子ママ。食い詰めて20年ぶりに九鬼谷へ戻って来た譲治は、久美子ママの昔の男。
相変わらずの浮気者のエロテツは、こともあろうか月子に欲情… 誤解した久美子は譲治を誘惑…
もつれあった男と女の煩悩は、除夜の鐘と酒に洗い流され、何事もなかったかのように、新しい年を迎えることに…

第321話 『タイガー・マン』
週刊漫画サンデー 1986年 1月21日号掲載
マンサンコミックス 35巻 第8話
まだまだ元気だと思う老人。自分は雄々しいトラだと思いたい老人。朝早くから河原で大声出して…。
● デカ虎 – 釣り具屋「釣り虎」主人。
● 靖子 – デカ虎の息子・正雄の嫁。
● 正雄 – デカ虎の息子。元銀行員。
● 倉山 – デカ虎の取引先。
九鬼谷の鬼洗い渓谷入口に店を構える釣具屋「釣り虎」の主人は、元刑事で密林の王タイガー・マンを自称するデカ虎。 デカ虎の息子の正雄の嫁・北海道出身の靖子は、武骨な九州の男を忌み嫌う…
体力的にも、“男” としても… 衰えを認めたくない年老いたデカ虎を、無駄に奮い立たせたのは…
第322話 『夢追い人』
週刊漫画サンデー 1986年 1月28日号掲載
マンサンコミックス 35巻 第9話

小林旭もどきの流れ者、為五郎がまたまた九鬼谷に舞い戻ってきた。芸能プロダクションを始め…。
● アキラ(為五郎) – 小林旭を気取った流れ者。
● 獅子山次郎 – 獅子山興行社長。
● ひろみ – 獅子山興行のヒモ付きの女。
性懲りもなく九鬼谷へ舞い戻ったアキラ(為五郎)が、大林アキラの名で構えた事務所は “表は芸能プロ、裏は女の警察”。
アキラ(為五郎)がスナック「純子」に紹介した女・ひろみをめぐって獅子山興行とトラブルに…
第95話『渡り鳥北へ』(1981年 4月21日号)で初登場した、九鬼谷の小林旭(?)・アキラ(為五郎)が、久々に再登場。
第323話 『鳴海 弦』
週刊漫画サンデー 1986年 2月 4日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第1話

ゲンと直美の関係がまたまたもつれそう……。原因は、ゲンに思いを寄せる写真部の女の子―。
● 木内史 – ゲンの写真部の後輩。
写真家の雪村真からの助手としての誘いに悩むゲンが、九鬼谷に連れて来たのは写真部の後輩・木内史。ゲンに好意を持つ史に対して、吹っ切れた直美は…

第327話『解体』( 1986年 3月 4日号)に登場する、取り壊しが決まった湯治宿 “大成館” の大浴場で、余裕の対応を見せる直美…
ゲンの後輩、木内史が初登場。
第324話 『鬼退治』
週刊漫画サンデー 1986年 2月11日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第2話

あしたは豆まき。翼の家へ遊びに来た月子と良太。退治する鬼は、翼のパパに恨みを持つ男。
翼パパの海外出張中、横領で首になり翼パパに恨みを持つ男の嫌がらせに悩む白取家を訪れた月子と良太。家についた鬼を払おうとする祈とう師まんだら良之進(?)。
節分の夜の豆まきで、月子がボコボコにしたエロ鬼は…

第325話 『好きにならずにいられない』
週刊漫画サンデー 1986年 2月18日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第3話

良太、テツ、ネズミ、日ノ本先生……みんながみんな月子を好きにならずにいられなくなって……!?。
文芸文芸コンクールで市長賞を取った月子。九鬼谷の鬼洗い祭り当日、受賞記念パーティーに参加したのは、テツとネズミ、文芸部の小山と三田村、日ノ本先生、次郎兵衛、そして良太。それぞれ月子に下心を…



酒の回った頃合で、月子とのデートの相手を決めようと、良太が提案したのは…
“幻想” を見事に打ち砕いたのは、年頃の娘には恥ずかしすぎる月子のリアリズム…

今回は、通常の24ページから6ページ増加の全30ページで展開。
第326話 『さ迷える湯田屋人』
週刊漫画サンデー 1986年 2月25日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第4話

頭脳明晰、知能指数は九鬼谷一のあつしクン。その家族がホテルの経営をはじめたために……。
● 湯田あつし – 民宿湯田屋の息子。
● 湯田照美 – あつしの姉。
● 河合 – 廃業するホテルのオーナー。
第304話『鉄人』(1985年 9月 3日号)で初登場した秀才・あつしの実家は民宿湯田屋。 母は宗教狂い、父は刑務所、上の姉は金貸し、二番目の姉・照美は淫売… という不遇な環境。
体を売って稼いだ金を貯め込んだ照美。赤字で売りに出される河合がオーナーを務めていたホテルCOSMOSを、自らが社長に収まり、ピンク路線の湯田屋ホテルとして新装オープンさせるが…
第334話『花の旅路』(1986年 4月22日号)で主役となる、湯田屋を辞めてまんだら屋に移った仲居・花が初登場している。
第327話 『解体』
週刊漫画サンデー 1986年 3月 4日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第5話

老朽化して解体しなければならなくなった温泉旅館。長年そこに住み、最近引っ越したじいさんが……。
● 大成秀光 – 晋也の祖父。
● 大成健次 – 晋也の叔父。秀光の次男。
● 大成常三 – 晋也の叔父。秀光の三男。
百年続いた湯治宿 “大成館” の主・秀光じいさん。引き取られていた大分の次男・健次の元から舞い戻り、取り壊しが決まった後も “大成館” を離れようとしない。
父(長男)の一周忌も済まないうちに、“大成館” を売り払うことを決めた叔父二人(次男・三男)を責める、勘当中の身の孫・晋也だったが…
解体を請け負った坂本土建の大和武の監督の元、祖父・秀光の想いを成し遂げようと晋也は…

第314話『肉』(1985年11月12日号)で初登場した晋也と亜里沙夫婦が再登場。
第328話 『花嫁の父』
週刊漫画サンデー 1986年 3月11日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第6話

九鬼谷を取りしまる天狗屋。その中の重要人物、ボウさんの娘が結婚すると言いだしたために……。
● 深大寺直枝 – ボウさん(深大寺由利雄)の娘。
● 長谷川誠一郎 – 直枝の婚約者。
● 誠一郎の父 – 文筆を生業とする。
お役者晴司の留守中(服役中??)、天狗屋を取り仕切る香具師・ボウさんこと深大寺直枝。娘・直枝の結婚が決まり、婚約者の誠一郎の父が九鬼谷へやって来ることに。
ボウさんに天狗屋旅館の主人を演じさせようとする、良太の提案した “小細工” は無駄骨に終わるが…

豊福寺の和尚の「ジタバタしてもしょうがない流れやから流れにまかせるがええ」の言葉通り、ボウさんの刻む木仏の表情も、行雲流水の如く…
ボウさんの本名が、深大寺由利雄で確定。
第329話 『早春』
週刊漫画サンデー 1986年 3月18日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第7話

ブ男で大男の根本豊と金倉光が思いをよせるシズエに恋人ができた!? 端正な顔をした予備校生。
● 山内久志 – 殺人の容疑がかかる予備校生。
受験の準備と称して九鬼谷の温泉会館に泊まる山内は、シズエが半年前から付き合い始めた社会科部の先輩。気をもむヒカルと豊のブ男二人。
その端正な容姿とは裏腹に、山内が抱える闇を見てしまったシズエは…

第330話 『久美ちゃん音頭』
週刊漫画サンデー 1986年 3月25日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第8話

離れてはひっつき、ひっついてはまた別れる、久美子とテツ。ケンカの原因はお互いさまだが……。
放課後の小倉の街中で、お互いの浮気相手とのデート中に偶然遭遇してしまった久美子とテツ。いつもながらに意地を張り合う二人。 テツへの当てつけに、直美に誘われて芸者のアルバイトを軽い気持ちで引き受ける久美子…
直美 : 「信じられる?あの百合奴姐さんがNo.1なんよ」
久美子 : 「楽な商売やね~ ギャハハ」

得意のお下品路線で盛り上がるが、体だけが目当ての客に安く見られた久美子は…
久美子 : 「久美ちゃんナメたら承知せんよ」
良太 : 「ナメてもらいたかったらケツ洗うて出直して来い」
第331話 『桜通信』
週刊漫画サンデー 1986年 4月 1日号掲載
マンサンコミックス 36巻 第9話

良太タヌキとカッパの月子が駆け落ち!? 桜満開の人間世界の良太と月子、即刻出頭を命じられ……。
第211話『マンマロ月夜』(1983年 9月13日号)では、カッパのリョウタとの浮気でカッパのツバサとの仲を裂いたカッパのツキコが、今回はリョウタタヌキと駆け落ち…?
第211話以来、久しぶりに狸オヤジに呼び出され、リョウタタヌキとカッパのツキコの説得のために、古別当の機関車でパラレルワールドへ向かった良太と月子。

週刊漫画サンデー 1986年 4月 1日号では、3ページと4ページが逆に掲載されており、話の流れがおかしくなっていたが、単行本以降は修正されている。
第332話 『平凡』
週刊漫画サンデー 1986年 4月 8日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第1話

春。平凡な、あまりにも平凡な日常を過ごすオジサンにも、心ときめくようなできごとが……。
第205話『隣人』(1983年 8月 2日号)で初登場した、凡野一男・さくらと平野万年・芳子の二組の夫婦が久々に再登場。
坂本土建の大和武から、湯の峰荘の露天風呂改修工事の手伝いを頼まれた凡野一男。日常からの逃避を夢想する一男は、湯の峰荘の娘に翻弄され…
そして、平凡すぎる日常に戻った一男は…

この後も度々登場する事になる一男だか、第478話『流れる星』(1989年 4月 4日号)では、その意外な素性が明かされることとなる…
第333話 『乙女峠』
週刊漫画サンデー 1986年 4月15日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第2話

昔、鬼が通りがかる人を食ったという峠。その乙女峠に今は神社が建ち、巫女が住んでいる―。
● 鬼塚美奈 – 乙女峠の鬼塚神社の巫女。
乙女峠の鬼塚神社の由来とされる、鬼と人間の哀しい歴史を記した鬼塚縁起。 今年は、鬼塚一族の末裔・美奈に鬼の霊がのり移り復讐を始めると言われる復活の年。
鬼封じ祭りを間近に控えた九鬼谷で多発する、峠の鬼によると噂される暴行事件。鬼の血を引くという美奈に疑いの目が…
第334話 『花の旅路』
週刊漫画サンデー 1986年 4月22日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第3話

人は出会い、別れ、まためぐり会う―。まんだら屋の仲居、花さんは客として来た昔の男と……。
● 花 – まんだら屋の仲居。
● 中村 – 人形デパート「宝屋」副社長。
第326話『さ迷える湯田屋人』(1986年 2月25日号)で、湯田屋から移籍してまもない花が、まんだら屋で再会した人形デパート「宝屋」の入り婿で副社長の中村は、かつて花を捨てた元博多人形の人形師。
中村の創る博多人形にそっくりな容姿の花は、中村に棄てられて以降、修羅の旅路を経てきた女… 一方中村は、社長である妻の尻に敷かれ、若い娘をつまみ食いしながら、昔の恋人の花に心中を迫るという、能天気な “インポの坊ちゃん”…
第335話 『明星』
週刊漫画サンデー 1986年 4月29日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第4話

おじさん二人。温泉マーク頭のグズな男と陰険顔のセコイ男がひと花さかせようと悪だくみを……。
平野万年の勤務先 “鈴やホテル” の社長が、裏社会との縁を切るために最後に開催をのんだ、三億の金が動くという賭場 “仲良会多聞組二代目襲名花会”。その上がりの金をくすねようと企む一男と万年。
“鈴やホテル” の地下下水道の改装工事を請け負った大和武から現場を任された一男。万年と二人で仲良会から奪った金を、下水道に伝いに持ち出そうとするが…
ちなみに、初代多聞組組長は、第86話『死闘!九鬼谷』(1981年 2月17日号)で射殺されたお役者晴司の義兄弟多聞天蔵。
第336話 『九鬼谷便り』
週刊漫画サンデー 1986年 5月 6日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第5話

新幹線から降り立った一人の女。東京発九鬼谷着の旅は一編の詩にも似て……。
● 阿津樹園 – 売れっ子作詞家。夫は作曲家。
英一が脚本を担当するドラマのテーマソングの作詞をすることになった阿津樹園は、夫で作曲家の新谷の度重なる浮気で、家庭内離婚状態。
“何かを捨てよう” と、九鬼谷へやって来た園。英一をはじめ “九州の厚かましい女達” と “マダラ悪太” 達の、九鬼谷流 “おせっかいな立ち入り方” に迎えられた園は、ヒットメーカーらしからぬ作品を書き上げる…

第337話 『お嬢さま』
週刊漫画サンデー 1986年 5月13/20日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第6話

九鬼谷通信別冊「九鬼谷お嬢様図鑑」!? もちろん編集者は良太。ところが名簿に月子の名がなくて…。
● 大神 – 夕月荘の新入り従業員。
お嬢様の背景としての旅館や商店を紹介をするという、九鬼谷通信別冊「九鬼谷お嬢様図鑑」は、ゲンが主導。一方、良太とヒロシが企てるのは「裏本お嬢様図鑑」?!
夕月荘の “お嬢様” に過度の幻想を持つ大神は、月子の行動をベッタリとマークし、取材に動くゲンや良太、悪友・久美子と直美からガードするが…
月子お嬢様の九鬼谷流儀のリアルを見せつけられた大神は…

第338話 『坊ちゃん』
週刊漫画サンデー 1986年 5月27日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第7話

融通がきかず、社会適応性のない坊っちゃん育ちの翼のいとこ。良太が教育(?)することに……。
● 敬治 – 九産化学の御曹司。翼ママの甥。
社会の汚れに免疫がないお坊ちゃんの荒療治の為に、“世の中で一番醜い(?)” 良太と引き合わせようと、甥の啓治を連れて九鬼谷へやって来た翼ママと翼。
啓治の教育係(?)を押し付けられた “温泉宿の坊ちゃん” …
第326話『さ迷える湯田屋人』(1986年 2月25日号)で、あつしの姉照美が新装オープンさせた湯田屋ホテルは、九産グループのホテル部門に買収されることが決定。
第339話 『温泉おじさん』
週刊漫画サンデー 1986年 6月 3日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第8話

結婚記念日も近づいて、そろそろ仕事を持とうと決意する、温泉おじさんこと一男は……。
● 村瀬和也 – 九鬼谷村役場観光課職員。
坂本土建の大和武の下請けのアルバイトから、村役場の安全委員への転職が決まった一男。
九鬼谷村役場観光課職員の村瀬が、温泉街のPRポスターに採用した、新発想の “温泉おじさん” シリーズにモデルとして選ばれたのは… 一男と春助?! 
九鬼谷村役場観光課の村瀬和也と同僚の片桐雪絵が初登場。
第340話 『五月のアルバム』
週刊漫画サンデー 1986年 6月10日号掲載
マンサンコミックス 37巻 第9話

月子がまたまた男に一目惚れ!? 父親の思い出の地だという九鬼谷を訪ねてきたちょっとイイ男……。
● 矢沢村出身の男 – 水道局員Kの息子。
矢沢ダム水道局への赴任を前に、父の思い出を訪ねる為九鬼谷を訪れ、夕月荘に泊まった矢沢村出身の男。元矢沢貯水池勤務の水道局員で、俳人だった彼の父の絶句は…
「かすむ目に 命踊るや 夕の月」
何故か彼に惹かれる月子が開いた、亡き母・夕子の思い出のアルバムには…

第321話『タイガー・マン』(1986年 1月21日号)で登場した「釣り虎」の嫁・靖子が、さりげなく再登場している。
第341話 『無頼』
週刊漫画サンデー 1986年 6月17日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第1話

まんだら屋の仲居、花さんの昔の男が九鬼谷に現れた。この男、刑務所から出たばかりで……。
● 藤巻 – 花の二度目の夫。
まんだら屋の仲居・花の二度目の夫・ヤクザ者の藤巻が、二年間の服役を終えて九鬼谷へやって来た。出所早々に博多でのトラブルで追われる身の藤巻は、花を安ホテルに連れ込むが…
花を藤巻から救ったのは、ゴロツキの政と泉先生の迷コンビ…

第342話 『村役場観光課』
週刊漫画サンデー 1986年 6月24日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第2話

村役場観光課に勤める、頼りなげでだらしない男。今日も二日酔いで欠勤。おばあちゃんが弁解に…。
● タコ課長(萩山) – 九鬼谷村役場観光課課長。
● 光絵 – 雪江の妹(?)。実は愛人。
九鬼谷村役場観光課のメンバーは、第339話『温泉おじさん』(1986年 6月 3日号)で初登場した村瀬和也と同僚の片桐雪絵、その上司のタコ課長(萩山)の三名。
雪江に片想いのふがいない村瀬。光絵とレズの関係の奔放な雪江。二人の部下からタコ扱いされる哀しい中年男・タコ課長。この観光課の三人は、今後も何度か登場する事になる。
タコ課長(萩山)が初登場。
第343話 『雨季雨季女学生』
週刊漫画サンデー 1986年 7月 1日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第3話

六月。“夕月”のフロの中で、久美子が会ったクラスメイトの美智。どうやら売春をしている様子…。
● 遠藤美智 – 久美子の三郎丸女学院の同級生。
● 岸田純次 – 月子の城南高校の同級生。美智の幼馴染。
● サブ – 美智の売春を斡旋する売れないミュージシャン。
久美子の同級生の美智は、サブとのタヒチ旅行の費用を稼ぐために売春を繰り返す… しかし、サブに渡した金はヤクザからの借金の返済に充てられていた…
借金のカタにヤクザに売られた美智を救ったのは、幼馴染の純次。美智の夢はタヒチから岩屋海水浴場へ一気にレベルダウンするが…
第344話 『タコ』
週刊漫画サンデー 1986年 7月 8日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第4話

人は皆、彼を「タコ」と呼ぶ。「タ~コ!」と罵声を浴びせる。九鬼谷村役場観光課課長。元気です。
● 湯ノ田の女将 – 旅館・湯ノ田の男出入りの激しい未亡人。
● 耕吉 – タコ課長の妻の浮気相手。
九鬼谷村役場観光課のタコ課長こと萩山。職場では部下の村瀬と雪絵にも、タコの巣(家庭)では妻と子供達にも蔑まれ… 挙句に湯ノ田の女将の色香に惑わされ… 妻は出入りの業者と浮気…
自虐的になりながらも、それでもしぶとく生きる中年男・タコ課長…

タコ課長の息子・聡一郎と娘・亜希子は、第382話『タコの巣』(1987年 4月 7日号)で登場する。
第345話 『劇場』
週刊漫画サンデー 1986年 7月15日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第5話

オヤ? 誰かと思えば百合奴姐さん。素敵なワンピースにサングラス。イメージ一新でどこへ行く?
● 勝山 – 映画館 “勝山劇場” のオーナー二代目オーナー。
● マムシの周造 – 勝山の父に恨みを持つ悪徳不動産屋の社長。
● 山田一郎 – 周三のボディーガード。
小倉の街中で良太が出会ったのは、倒産した映画館 “勝山劇場” の社長・勝山から、たまった花代を回収する為にやって来た百合奴姐さん。“何かを諦めたか(?)決心したか(?)” の様にイメチェンした出で立ちで…

映画マニアで夢みがちな二代目坊ちゃん社長・勝山が、劇場と土地を担保に作った一億の借金の証書を手に入れたのは、勝山の父に恨みを持つ悪徳不動産屋の社長・マムシの周三。
今作では、良太と百合奴と勝山の映画ネタを交えたテンポの良い掛け合いが冴えわたる。
第346話 『父子鼠』
週刊漫画サンデー 1986年 7月22日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第6話

根津実 ― 通称・ネズミくんが家出して月子のところへころがりこんだ。理由は父親との大ゲンカ…。
● 根津(ネズミの父) – 教育委員会事務局勤続22年。
うっとおしい梅雨の時期。父親とケンカし、家を出て九鬼谷で晴耕雨読の人生を送ろうという、甘い決意のもとに夕月荘へやって来た(うっとおしい)ネズミ。息子を気遣い九鬼谷を訪れた根津(ネズミの父)は、息子の名誉のために…
良太や月子にとっては、ネズミの苦悩など、直美の家出癖と同程度のもの…?

今回は、月子もカチューシャでイメチェン。
第347話 『豚の烙印』
週刊漫画サンデー 1986年 7月29日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第7話

半月ぶりで英一が家に帰ると見知らぬ女が一人。版画家の夫と別れ、若い男と駆け落ちしてきた女。
● 小松(板倉)よしこ – 板倉一刀(留吉)の妻。もと九鬼谷の芸者。
● 板倉一刀(留吉) – よしこの夫。版画界の黒ブタと罵られる版画家。
● 鶴山 – 板倉一刀の弟子。
版画家・板倉一刀の弟子・鶴山を連れてまんだら屋に泊る板倉(旧姓 : 小松)よしこは、夫・一刀(留吉)と別れ、まんだら屋に百合奴を館長にすえた版画館を開こうと目論む。一方、百合奴は、源泉館に出資し、英一を座付作家にして自らが座長に収まろうと…
版画界の黒ブタ・一刀(留吉)が彫ったブタの烙印ならぬブタの印鑑!!
出て行った妻・よしこへ引導を渡すために掘ったその烙印を、自らの体に捺した一刀(留吉)の、自虐的ながら鬼気迫る様を前に、オバサン達の目論見は…

第348話 『ただいま治療中』
週刊漫画サンデー 1986年 8月 5日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第8話

レズの人生に悩む雪絵さん。インポで苦しむ村瀬クン。二人力合わせて……。治るかな?
良美との不倫(?)が発覚したレズの相方・光絵と別れ、“まっとうな女の道” を歩みだした雪江と、雪絵のレズシーンを目撃して以来、ショックで不能になってしまった村瀬。
二人を男と女の仲に戻したのは、天月祭の出し物として一男がスクラップを調達し格安で仕上げたタコ型人力舟 “ターコー丸” の耐久テスト!?
第272話『女だらけ』(1985年 1月22日号)・第273話『霧ヶ峰山麓女人村』(1985年 1月29日号)で登場したレズの良美が再登場。
第349話 『夢ん中』
週刊漫画サンデー 1986年 8月12日号掲載
マンサンコミックス 38巻 第9話

天狗屋の政がまたまた女に惚れた!? 女手ひとつでウドン屋を切り盛りしているちょっとイイ女……。
● 美沙子(ナナ) – うどん屋「美沙」の女主人。
● 旗順吉 – 松江の畑中組の紹介で九鬼谷へやって来た手配中のテキヤ。
● 哲次 – 順吉の舎弟。
地獄の様な過去からはい上がった美紗子がやっとつかんだのは、うどん屋「美沙」の女主人としての普通の生活。
大阪でのホステス時代の過去を知るテキヤの順吉と、偶然九鬼谷で出会ってしまった美紗子は…
今回も想いが空回りの政は、相方(?)の泉さんと酒の勢いにまかせて…

結局… みんな夢ん中…
第350話 『ケベス』
週刊漫画サンデー 1986年 8月19日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第1話

淫猥な風をまき散らしケベスが走る。ケベスとは何者? ファンタスティック・スケベ・ストーリー!!
● ケベス – 世界を破壊に導く存在?? 見た目はほぼ良太…
幽鬼が原を舞台に、リョウタタヌキを襲うコメオポンチドラゴンにまたがるエロ将軍を撃退したカッパの月子とカッパの久美子。無駄に(?)壮大なオープニングから物語は始まる…
カッパ大将に掘り当てられて、世界を滅ぼすというケベスが復活。タヌキオヤジの命を受け、200年前にケベスを封じ込めたと言われる夕月の家系の月子を連れて、ケベスの園へ向かうリョウタタヌキ。
良太そっくりのケベスをあっけなく封じ込めたのは、月子のいつものお決まりの張り手!?

今作は350話記念で、二度目の巻頭カラー。30ページに増ページ。

第351話 『私の庭』
週刊漫画サンデー 1986年 8月26日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第2話

トウモロコシ、ナス、トマトが熟れる畑にフラリと現われた女。夏婦人。居酒屋チェーンのオーナーで…。
● 夏婦人 – 居酒屋チェーン「花園」のオーナー。
● 文太 – ヒカルと共に夏婦人に翻弄される農夫。
● 時夫 – 夏婦人のペット。
真夏の九鬼谷の別荘にやって来た、男関係が派手な居酒屋チェーンの女社長。関係に嫌気がさし、アメリカに逃げようとたくらむ時夫を、虫けらのように使い捨てる夏婦人。
翻弄されるヒカルと文太を横目に、夏婦人と時夫に防虫スプレーを浴びせた良太だけが、彼女の闇を感じ取っていたのかもしれない…
第352話 『壁男』
週刊漫画サンデー 1986年 9月 2日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第3話

しっくい彫刻を商売とする秀作夫婦。ところが妻のフランソワの作品ばかり評判になるために……。
● ツムラ – 大門出版社長。
漆喰彫刻工房を、まんだら屋の番頭で父の一作と共に営む、秀作とフランソワ夫婦。 フランソワの作品が注目される一方で、エロに走りすぎて(?)評判の悪い秀作。
ヨネが二人に提案した入江長八の故郷・伊豆の松崎へ旅だったが、フランソワにも大門出版から同じ提案が… 結局、秀作は良太と、フランソワは大門出版社長のツムラ達と、それぞれ松崎を訪れることになる。
フランソワが妊娠していることを知り、共に長八の宿に泊まる秀作には、一筋の光が…

第170話『青い目をした…』( 1982年11月16日号)・第171話『紫川』(1982年11月23日号)で登場した秀作とフランソワ夫婦が再登場。
第353話 『踊子』
週刊漫画サンデー 1986年 9月 9日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第4話

伊豆にいる良太。女のあとを追いかけて伊豆までやってきた作家である叔父の大山周造と会って……。
● 踊子 – 太(大山周造)が、新人賞への推薦をきっかけに知り合った女。
後先考えずに、踊子を追って伊豆湯ヶ野温泉へやって来た良太の兄で小説家の太(大山周造)は、宿代にも事欠くありさま… 松崎からの帰り道、太を迎えに立ち寄った良太。
踊子とその兄に導かれて良太と太が向かったのは、踊子の婚礼が行われるという異界・稲荷村…

第354話 『甘い生活』
週刊漫画サンデー 1986年 9月16日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第5話

小さなおメメと太いアゴ。人生、その場しのぎの流れ者。天下無敵の一匹狼、哲次の登場だ―!!
● 国生千年– 千年湯の五代目当主。
● 靖子– 雀荘の店員。
第349話『夢ん中』(1986年 8月12日号)で大阪からたかりにやって来て、うどん屋の美紗子(ナナ)に背中を出刃包丁で切られたチンピラの哲次。九鬼谷で知り合ったのは、川に張り出した半円形の岩盤状の土地で “千年湯” 営む国生千年。
仲良会に追われる晴子と共に、イカサマ賭場で大金をせしめる国生と哲次。
洪水と仲良会に同時に襲われ、背中を “ペケ” にされても、国生と晴子とつるんでゴロツキ稼業を続ける懲りない哲次…

第355話 『美しい十代』
週刊漫画サンデー 1986年 9月23日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第6話

ノイローゼ気味の文芸部の女の子。思いつめた果てに、校舎に石油をまいて、火をつけて―。
● 織本理恵– 小倉城南高校文芸部員。
文化祭で盛り上がる小倉城南高校。ノイローゼから自殺を図る文芸部員の織本だったが…
良太と月子の、久美子とテツ、翼も巻き込んだ “美しい(?)十代” 達の、自殺願望など “屁” でもない九鬼谷流儀のリアリズムの洗礼を受けることに…

文芸部員の織本理恵が初登場。
第356話 『マムシ』
週刊漫画サンデー 1986年 9月30日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第7話

● 守屋– マムシの周造の秘書。
第345話『劇場』(1986年 7月15日号) で登場した悪徳不動産屋の社長・マムシの周造とそのボディーガードの山田一郎が、秘書の守屋と共に百合奴を訪ねて九鬼谷へ…
自らの死期を悟った周三は不動産業を廃業、整理した財産を長年の悪事の罪滅ぼしにと日々ばらまき、さらに残額のすべてを百合奴に譲ろうとするが…

第357話 『花咲く乙女たち』
週刊漫画サンデー 1986年10月 7日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第8話

九鬼谷はお祭り。自殺を図り、失敗した良太らの同級生・理恵が、生まれかわって乗りこんで来た!?
第355話『美しい十代』(1986年 9月23日号)で、自殺願望を見事に打ち砕かれた織本理恵が、良太達の恥をスクープしようと祭りで賑わう九鬼谷へ…
半ばステバチで良太に惹かれはじめた織本に、心中穏やかでない月子と翼…


第358話 『山女』
週刊漫画サンデー 1986年10月14日号掲載
マンサンコミックス 39巻 第9話

渓流でイワナ、ヤマメを釣って暮らす偏屈なオッサン。その静かな生活に突然入りこんだ若い娘…。
● 川守 – 魚とだけ向き合う寡黙な漁師。
● ミサト – 東京から来た傷心の女。
● トシオ – ミサトの恋人。
家族を亡くして以来心を閉ざしてきた寡黙な漁師・川守。
禁漁期を直前に控えた時期。突然東京からやって来た「このオンナ」・ミサトに翻弄されながら、僅かに心を開いていく川守だったが…
“アクビの最中に喰いついた” 山女と同様に、ミサトへのプレゼントの洋服を川に放ち、寡黙な日常へと戻る川守…

第359話 『平野万年』
週刊漫画サンデー 1986年10月21日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第1話

偏屈、業突、傲岸不遜。下半身のみ元気な中年男・平野万年の就職活動。もちろんうまくいかず……。
● 奈菜 – さくらの店の女店員。
第335話『明星』(1986年 4月29日号)の騒動で、鈴やホテルの職を失い無職となった平野。仕事もせずに毎晩飲んだくれる生活。
一男の紹介で観光課の雑役にありつくも、奈菜との浮気現場を執行猶予中の奈菜の夫に見つかり、ボコボコにされ… さくらの店で働き始めた妻・芳子の苦労も台無しに…
一男や春助の応援も空しく、全く働く気の無い平野万年…
第360話 『オバサン』
週刊漫画サンデー 1986年10月28日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第2話

成績優秀な高校生、しかも美男子。しかし裏では、オバサンたちに体を売って金を稼いで―。
● 神谷秀則 – 城南高校三年生。
● 本田美香 – 本田重工の社長夫人。
「ケンジ」の名でオバサン達に体を売る神谷は、奨学金で城南高校に通う苦学生。
たまたま置き忘れた学生証を美香に握られた神谷は、美香の夫・本田重工の社長が浮気相手との密会の為に予約した、夕月荘の一室へ同行させられる…
第361話 『村の光』
週刊漫画サンデー 1986年11月 4日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第3話

九鬼谷の恥、と良太とともに並び称される光クン。またまた恋をした。今度の相手は女子大生―。
● 浅野 – 三萩野女子大の陸上部のコーチ。
● 岩本 – 三萩野女子大の教師。
北九州駅伝の優勝チームの女子大生達を連れて、九鬼谷へ合宿にやって来た浅野。性懲りもなく浅野に恋心を持ってしまった、次期村長候補「村の光」を自称するヒカル。
浅野と同性の愛人との仲に割って入り “九つの湯めぐり” レースで勝負に出たヒカルだったが…

第362話 『日本百名湯』
週刊漫画サンデー 1986年11月11日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第4話

時折、九鬼谷にフラリと現われるジイサン。ドイツ文学者、『日本百名湯』の名著で知られる湯川先生。
● 湯川 –「日本百名湯」の著者。
● 秀司 – 湯川の息子。航空力学の権威で温泉嫌い。
「日本百名湯」の著者の湯川は、専門はドイツ文学でカフカ研究の第一人者。一方、息子の秀司は、文学者の無能に嫌気がさし違う世界を目指した航空力学の権威。
一年前に脳出血の手術を受けながら、“自らの足と目と肌で” 温泉を巡る旅を続けようとする湯川。改訂版「日本百名湯」の企画を進める四谷出版の二代目と共に、父を連れ戻しに九鬼谷へやって来た秀司。
倒れた湯川の荷物の中から見つかったのは、秀司が幼いころに父と登った雲取山での、思い出の写真…

自らのこだわりを洗い流せないかと苦しむ秀司に、共に湯につかる良太は…
良太 : 「もいっぺん雲を取りに行ったらええやんね」
第363話 『火の器』
週刊漫画サンデー 1986年11月18日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第5話

金持ちの旦那の力をバックに陶器店を経営する女。意地が悪く、いばり散らし、そして美しい女―。
● ノラ –「陶房ノラ」の女主人。
● 土倉重信 – 皿山村の旧家の次男。
会長の妻として陶器店「陶房ノラ」を経営する性悪女・ノラ。善次郎窯を手伝う土倉は、陶芸の才能はあるが、粗野でサディスティックな変人。
普段の行動とは裏腹な自らのマゾヒズムに目覚めさせられたノラは、土倉との倒錯した禁断の関係にのめり込んでいく…
第19話『夫婦湯呑 (前編)』(1979年10月 2日号)・『夫婦湯呑 (後編)』(1979年10月 9日号)で登場した、善次郎窯のバーナード・リッチと中村カヨ夫婦が、久々に登場。
第364話 『宿無し』
週刊漫画サンデー 1986年11月25日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第6話

三人組に襲われている直美を助けた男。シブ~イ中年。一目見て、直美はまいってしまって―。
● 菅井真一郎 – 若松の爆弾男。菅原文太似。
毎度のことながら家出した直美… 若松の港で襲われかけた直美を助けた菅井真一郎は、九年前に娘と妻と組長を殺された報復を続ける、もはや居場所の無い無頼漢。
追手を交わして九鬼谷へ向かった菅井は、変装した直美と共にまんだら屋に宿を取る事に… (観光案内所ではルミ子と共に第140話『窓』(1982年 3月30日号)で登場した幸男が再登場している)
いつものルーティンで、この手の男に惹かれる直美… 自分に酔って共に逃げようとする直美を振り切る菅井…

結局、直美の帰る場所はこの九鬼谷温泉… そして、“友達” として精いっぱいのエール(?)を送る良太…

第365話 『月光値千金』
週刊漫画サンデー 1986年12月 2日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第7話

月の光がまぶしい今夜。月子が庭で一人で踊る。そして庭の外では、月子の友人たちが大騒ぎ―。
拳銃の密売現場を写してしまったゲン。託されたフィルムを翼に押し付ける良太。懲りずに家出を図る直美。毎度毎度の痴話げんか中の久美子とテツ。若さに任せて走る翼。忙しく事件に追われる葉っぱ目署長。直美を引き止める百合奴。証拠のフィルムを取り戻そうとする売人達…
闇夜に紛れての大混乱は、途切れた雲間から差し込む月の光と共に、何とか決着するが…
その夜の月子は… ようやく月が出た…??

第366話 『まんじゅう食いたい!』
週刊漫画サンデー 1986年12月 9日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第8話

鉄とまたまたケンカ別れ!? グレてやる!!……と決心した久美子の前にあらわれたサルのような男。
● カン太 – 山ザルの群れを率いる謎の男。
久美子はまたまたテツとケンカ別れ。追い打ちをかけるように、夫婦ゲンカで久美子のパパは家出、ママは生花教室の旅行で店を空け、グレる暇もなく饅頭屋の仕事を手伝う久美子…
そんな久美子を、ふきだまりの不良達とのトラブルから二度も救ったのは、風の又三郎の如く突風と共に現れるサルの様な謎の男・カン太…

第367話 『落葉樹』
週刊漫画サンデー 1986年12月16日号掲載
マンサンコミックス 40巻 第9話

無作法で乱暴な陶芸の職人と金持ちのジイさんを旦那に持つ女。肉体だけの関係がやがて恋に……。
第363話『火の器』(1986年11月18日号)で登場した陶器店の女主人ノラは、夫である会長との日常的な関係と並行して、土倉との倒錯した不倫関係をエスカレートさせていく…
ノラの非日常の並行世界を一瞬で崩壊させたのは…
この作品中で唯一発せられた土倉のこの “言葉”…

全編を通して (落ち葉でおどける良太と月子のシーンも含め) わずかな擬音語や擬態語を除いて “言葉(セリフ)” といえるのは、ノラをリアルで退屈な現実世界へ引き戻す土倉のこの一言のみ。
それが、各シーンに描きこまれた、秋の冷えた空気感の中で舞う落葉樹の落葉の静寂さを際立たせ、いつになく過激で倒錯した性描写が描かれているにもかかわらず、作品全体に完成度の高い “美しさ” さえも感じさせる。
第368話 『月の湯』
週刊漫画サンデー 1986年12月23日号掲載
マンサンコミックス 41巻 第1話

三十年以上、誰も入ったことがないという月の湯。久美子と直美の下品を治そうと、月子が―。
年の瀬を迎え、月子が久美子と直美を招き入れたのは、三十年近く閉ざされていた悪霊を洗い流すという夕月荘の月の湯。
下品をやめる気のない久美子と、家出をやめる気のない直美が、早々に月の湯を出た後、ひとり残された月子の前に現れたのは、モノノケ祓いの儀式を行う鬼の夫婦。
月子の腹から飛び出したモノノケ(?)は、あろうことか良太の分身!? 悪霊払いの鬼など一撃で粉砕する、良太の善悪を超越した(?)九鬼谷パワーに守られる月子…?

第369話 『冬の旅』
週刊漫画サンデー 1986年12月30日号掲載
マンサンコミックス 41巻 第2話

新人の仲居さんがまんだら屋に来た。ユカリの友達というだけあって、下半身も相当―!?
● 冬子 – ユカリの後輩。まんだら屋の新人仲居。
まんだら屋に新人の仲居としてやって来た冬子。ユカリの後輩だけあって、なかなかに強力なキャラ…
ユカリとの仲が未だ進展しない正剛は、主がいなくなった土産物屋「夢や」を借り受けたいとヨネに申し出る。ユカリとの将来については、いつも通り言葉を濁すが…
当初はユカリと正剛の仲に割り込もうとする冬子だったが、寡黙で不器用な正剛と、素直になれず意地を張るユカリを見かねて…

今後、主要キャラとして活躍することになる冬子が初登場。
この年・1986年、新たに九鬼谷温泉艶笑騒動譚の舞台に加わったのは、
釣り具屋「釣り虎」息子の嫁・靖子。ゲンの写真部の後輩・木内史。あつしの姉で湯田屋ホテルオーナー・湯田照美。鬼塚神社の巫女・鬼塚美奈。湯田屋からまんだら屋に移籍した仲居の花。九鬼谷村役場観光課の村瀬和也と片桐雪絵とタコ課長(萩山)。悪徳不動産屋のマムシの周造。チンピラ・哲次と靖子。千年湯の五代目当主・国生千年。小倉城南高校文芸部員の織本理恵。寡黙な漁師・川守。「日本百名湯」の著者・湯川。「陶房ノラ」の女主人・ノラと土倉窯の土倉重信。サルの様な謎の男・カン太。ユカリの後輩でまんだら屋の新人仲居・冬子…
第370話~第415話 全46話 (9月に4週、取材旅行の為休載) は、
『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の九・1987年 ) にて…


