永遠の桃源郷・九鬼谷温泉 – 『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の六・1984年 )

1984年 掲載作品

第219話~第269話 全51話

単行本(マンサンコミックス)第24巻の5話目から第30巻の1話目まで。

1979年発表の作品30話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の一・1979年 )

1980年発表の作品50話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の二・1980年 )

1981年発表の作品48話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の三・1981年 )

1982年発表の作品48話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の四・1982年 )

1983年発表の作品42話は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の五・1983年 )

今回も、下の様なフォーマットで各話を紹介する。


週刊漫画サンデー 1981年 〇月 〇日号掲載

マンサンコミックス巻 第〇話  ( 筑摩コミック文庫巻 第〇話 ) 

● 初登場 (或いは主要) 登場人物 – 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

● 初登場 (或いは主要) 登場人物 – 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇 ーー(コメント)ーー 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。


週刊漫画サンデー 1984年 1月 3日号掲載

マンサンコミックス 24巻 第5話

万田金一郎 – 36回の抗争事件を指揮した死神の万金

 仮釈放された晴司の兄貴分で、血の気の多い万田天狗屋からは破門の身。天狗屋の顧問の座を蹴って大丸興行のオヤジとつるんで “万金組” を立ち上げ、仲良会からも命を狙われる。晴司のおせっかい「わが子の親にようなれんで、組をこさえて子がついてきますか!?」の言葉に…

 雪の降りしきるクリスマス・イブの夜、良太を従えた “死神の万金”晴司達が見守る中、二人の幼い子供達の父親として精一杯 優しきサンタ” を演じる…

 新年号に掲載された作品ながら発売日が前年の年末ということで、クリスマス時期のエピソードが描かれている。

 今後も九鬼谷天狗屋と共存することになる “万金組” の 万田金一郎が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年 1月10/17日号掲載

マンサンコミックス 24巻 第6話

 良太達の年末年始と、それぞれの悪夢の様な(?)初夢が描かれる…

 とりあえず… まんだら屋・新館の最上階にに新設された展望ブロにつかる九鬼谷三人娘良太

 良太 :「展望ー なし! 大山良太 悲観せず 楽観もせずー 謹賀新年」


週刊漫画サンデー 1984年 1月24日号掲載

マンサンコミックス 24巻 第7話

中井一美 泉さんの教師時代の教え子。

 成人式を目前に控えた九鬼谷温泉。タチの悪い売春組織・愛人バンク “ハートクリニック” ケイコとして働く中井一美は、泉さんの元教え子。警察の手入れの前に一美を救おうと、一人 “ハートクリニック” に乗り込む泉さんに加勢したのは、良太を従えた “ヤクザ者”

 豪胆キャラの元教師・泉さんと、半人前のヤクザ者・の微妙な関係は、今後も継続することに…

 第128話『オ〇コ売りの少女』(1981年12月29日号)で初登場し、
 第154話『良太の生きかた』(1982年 7月13日号)で、九鬼谷通信社に職を得たが、久しぶりに登場している。


週刊漫画サンデー 1984年 1月31日号掲載

マンサンコミックス 24巻 第8話

渡月楼の若妻 – 日ノ本正義の教え子信彦の母。

 夕月荘で同居する日ノ本先生を意識する月子は、日ノ本先生に言い寄る渡月楼の若妻にも露骨に横恋慕… 珍しくそんな月子に気をもむ良太

 良太 : 「関心の度合いは同じくらいちゅうことやろか」


週刊漫画サンデー 1984年 2月 7日号掲載

マンサンコミックス 24巻 第9話

山下小倉城南高校の美術教師。

花枝 – 九鬼谷温泉の和多屋の娘。

英次花枝のヒモ。

 良太達が通う小倉城南高校の美術教師・山下先生は、交通事故で妻を亡くした男やもめ。ヒモの英次に隷属し小倉のソープランドでアンナとして働く花枝は、九鬼谷の温泉旅館和多屋の娘。

 すべてを捨てて(諦めて)放浪の旅に逃避しようとする山下も、身を持ち崩し、いまさら故郷に顔向けできない花枝をも… すべてを寛容に受け入れるのは、朝日の降り注ぐ “湯の国” 九鬼谷温泉の絶景

 山下先生と、その妻となる花枝が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年 2月14日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第1話

横田邦光 – 9人を殺害した指名手配犯

富子 – 九鬼谷酒蔵の嫁。

 第218話『月より饅頭』(1983年12月27日号)の事件で収監されていた九鬼谷の厄介者・鬼やんが、めでたく釈放… 鬼やんの幼馴染・横田邦光は、富子にふられて以来凶悪犯罪を繰り返してきた指名手配犯。

 九鬼谷酒蔵の嫁となった富子に復讐しようと、鬼祭りで盛り上がる九鬼谷へ戻った邦光の凶行を止めたのは、他ならぬ嫌われ者の鬼やん

 現場に踏み込んだ署長達に、傷を負った鬼やんは…

 「3人で同窓会やりよったですよ。ワシらのこと 邦光の罪に勘定せんでくれんか?」


週刊漫画サンデー 1984年 2月21日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第2話

ユウ – 一美の元夫。

 第221話『成人』(1984年 1月24日号)で登場し、泉先生の尽力で愛人バンクから足を洗った一美が、幼い子供と共に務めることになったのは射的屋の店番。一美に惹かれていく “ヤクザ者” 泉先生は、「なあ政クン。あの娘は “ヤクザ者” で苦労したんや」

 天狗屋のシマを荒らしにやってきた鹿角組のチンピラの一人・ユウは、一美の夫で幼い子供の父親…

 政の恋は儚く終わるが、泉先生との距離感は少しずつ縮まっていく。

 この回で、天狗屋のフルネーム・大門政五郎が確定。


週刊漫画サンデー 1984年 2月28日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第3話

秋川哲次郎 – 月子の祖父の弟。哲学者。

久永教授 – 哲次郎の同級生の医師。

祐介 – 久永教授の患者。

島田 – 哲次郎の助手。

 九鬼谷に記念館の建築が決まった哲学者秋川哲次郎は重い病を抱え、手術後の生存率は僅か30パーセント… 哲次郎の友人である久永教授の患者・祐介も、若くして腎臓の病を疑われる。

 祐介の輝く様な若さや、良太月子達九鬼谷の反近代的な通俗性を前にして、年老いた哲人は、自らの残り少ない命の、若い祐介永遠の時間への転生を望みながら湯畑で神に召される… 不吉な死を象徴する水墨画「晩鐘」に描かれたカラスの群れではなく、“ちょっと生ぐさすぎる” 九鬼谷の三美神の舞に導かれながら……


週刊漫画サンデー 1984年 3月 6日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第4話

 久美子の実家の饅頭屋 “貴多本” で2年間の修業を積んだは、まんだら屋を辞めみっちゃんと共に団子屋を開業。店名を前作で絶命した秋川哲次郎の著書から名を借りて「コン三郎本舗」とする。長年の腐れ縁、まんだら屋の従業員・と、仲居のみっちゃんは、めでたく夫婦に。

 実家の和菓子屋「浜田屋」の家業を嫌い家を出ただったが、自身の饅頭屋の開店初日に訪れたのは…

 良太 :「モチはここの奥さんのシリタブ。まんじゅうは久美子のチチ! アンコはゆかりさんのチチ! ダンゴは月子のチチ! やつとシンがとれたくらいの少し堅めの仕上がりや」

 これらすべてを実地に検証(!?)してきた良太が並行して描かれることによって、ありがちな人情噺さえもが、艶笑騒動譚の色に染められていく…


週刊漫画サンデー 1984年 3月13日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第5話

花岡慎太郎 – の通う九鬼谷中学の野球部員。

美雪 – 慎太郎の同級生。

番長 – 相撲部主将。

 野球部のエース・慎太郎は後輩のに恋心を抱き、すっかり九鬼谷に馴染んだもまんざらではない思い… 小倉中央高校の付属中学への編入が決まった慎太郎を快く思わない相撲部の番長は、同じく慎太郎に惚れていた美雪の二人を襲うが…

 緑のボーイフレンド・花岡慎太郎が初登場。九鬼谷小学校藤山先生(第109話『夏ひらく』1981年 8月 4日号)が脇役で再登場。


週刊漫画サンデー 1984年 3月20日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第6話

 所属する写真部が解散させられ、青年団内でもズレ気味のゲンと、百合奴とケンカし、“芸者” であることに付け込まれ裏ビデオに誘われる直美。お互い些細な悩みを抱えながら、夜の海へ向かった二人は、短絡的に心中を試みるが…

 二人が向かったのは、第110話『潮風』(1981年 8月11日)・第111話『オレの海』(1981年 8月 8日)の舞台となった、ゲンの従弟・寛治の暮らす山口県鳴海村の海。


週刊漫画サンデー 1984年 3月27日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第7話

雪童子 – 月子の夢に現れた幻? 言動は全く良太そのもの…

 良太月子久美子が催した、心中が未遂に終わったゲン直美を励ます会は、昭和のテレビドラマ「スチュワーデス物語」ネタの空回りで盛り上がらず… 実は九鬼谷通信の取材が目的の月子の提案で、翌日の朝からハイキングに出かけることになった五人。

 突然の吹雪に遭遇した一行が立ち往生していたのは、実は… 九鬼九鬼谷奥の湯 “芳治館” のすぐ手前。

 第181話『日ノ本正義』(1983年 2月 8日)でも再登場していた冬子が、さりげなく再々登場している。

 第26話『奥の湯姉妹』(1979年11月27日)で初登場した奥の湯冬子だが、父親殺しの負い目を背負わせず、この艶笑譚の登場人物の一人として自然に振る舞うことが出来るように、あえて初出誌では無難なエンディングを選んでいたとも考えられる。
(詳細は、『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の一・1979年 ) 第26話『奥の湯姉妹』)


週刊漫画サンデー 1984年 4月 3日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第8話

徳さん – ナルシストの訳あり風来坊。

森下美智代 – 森下燃料店の女社長。

 気性の荒い “野獣” の様な女社長・美智代は、森下燃料店の配達員として流れ者のを雇うことに…

 その外面に反して、意外に日常的な家庭生活に収まろうとする美智子と、そんな日常に違和感を持ち、自らの美意識に従い、再び流れ者の旅に出る


週刊漫画サンデー 1984年 4月10日号掲載

マンサンコミックス 25巻 第9話

榛名裕子 – 百合奴の従姉。

 桜のつぼみも膨らむ頃の九鬼谷温泉。夫の英一が中国出張中の百合奴のもとにやってきた従妹の裕子は、元広告代理店・九美堂の営業部長。男と関係を清算し、仕事も辞め、逃げ場所を求める裕子に、“相手の得意手に合わせて” 接近遭遇を試みる良太

 “単なるペ〇ス” を演じていたはずだったが、少しずつ裕子に本気になっていく良太。

 未成年の良太の為に、あえて残酷な仕打ちを演ずる百合奴裕子

 優子 : 「他人の為になにかするなんて はじめてじゃないかしら…」

 百合奴の従姉・榛名裕子が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年 4月17日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第1話

 裕子への思いを引きずる良太のもとにやってきた月子と休戦(?)して良太を慰めるというは、第186話『三角』(1983年 3月15日号) のリベンジを図るが… 正攻法で攻めても、前回と同じく全く効果なし。

 久美子 : 「デカバン!カッパ頭!文学少女!バージン!月子と同じラインで勝負する気?」

 久美子に弟子入りし「まんじゅうの穴」で修業したさすらいのはぐれ鳥(?)は、ムーンガール選手(?)に対抗し、ドスケベ路線で再度マンダラボーイ(?)に迫る


週刊漫画サンデー 1984年 4月24日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第2話

仲田良之助 – 仲良会会長。

 跡目争いが激化する仲良会の内情を憂う良之助は、小倉で出会った良太と共に九鬼谷温泉へ湯治にやって来た。破門された遠賀の六郎の刺客から良之助をガードするお役者晴司達

 二発の銃弾を仁王立ちで受け止める良之助! 片や…いつものルーティン通り、自らの血を見て失神する晴司

 九州の静かな首領(ドン)仲田良之助が久々に登場。


週刊漫画サンデー 1984年 5月 1日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第3話

風野さやか – 九鬼谷小学校へ東京から転向してきた少女。

利一 – 九鬼谷ホテルの元従業員

風野博 – 九鬼谷ホテルの債権者。大日本興業の観光部門の責任者。

 債権者の大日本興業により桜ホテルと名を変えた九鬼谷ホテルに、東京からやって来た観光部門の責任者・風野夫妻。その娘・さやかは、“風の又三郎” の様に風を操る不思議な少女。

 九鬼谷ホテルの元従業員・利一は、さやか狂言誘拐に協力することに…


週刊漫画サンデー 1984年 5月 8日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第4話

鈴子 – 愛心館の孫娘。

 正剛愛心館鈴子との間に持ち上がった入り婿の話に、気をもむゆかりはヤサグレ気味… 土曜日の夜。ゆかりが催した花見の宴への誘いと、安心館の女将がもちかけた、孫の鈴子との泊りがけのお誘い…

 どちらも反故にして “求められたら引く” 正剛は、一人旅に出る…


週刊漫画サンデー 1984年 5月15日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第5話

翼パパ – 薬品会社の総務部長。

菊千代 – 社内の反白鳥派とつるんで翼パパを誘惑する。

 製薬会社A化学の部長候補に挙がった翼パパ。一方、パパの浮気現場と思われる写真を受け取った翼ママは家出し、青春を取り戻そうと九鬼谷へやって来た。眼鏡を外し、髪型を変えて…

 翼パパが初登場。また、翼ママのフルネームが白鳥和江で確定。


週刊漫画サンデー 1984年 5月22日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第6話

九鬼谷警察の葉っぱ目署長。長年まじめに勤めてまいりましたが今回はじめて主役です、よろしく!!

角田 – 署長(剣先)の元上司。順子の父。

角田順子 – 吉岡クリーニング工場に勤める角田の娘。

吉岡哲也 – 順子の婚約者。

 警察学校出のエリートだった元部下・剣先への妬みから道を踏み外し、銀行強盗の罪で服役していた元刑事の角田

 出所した角田は、娘の順子が暮らす九鬼谷へ戻り、剣先に恨みを持つ仲間達と再び銀行強盗の計画を実行するが… 犯行現場には順子と婚約者の哲也が…

 葉っぱ目署長のフルネームが剣先竜で確定。

 第91話『回り舞台』(1981年 3月24日号掲載) で登場したが再登場。


週刊漫画サンデー 1984年 5月29日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第7話


空は青く、山は緑。自転車ごげば風はさわやか。これで良太さえいなければ月子の気分は最高!?

リョウタタヌキ – 幽鬼が原のパラレルワールドに住むタヌキ。

幽鬼大王 – 幽鬼が原の巨人。

 自転車を飛ばし幽鬼が原に迷い込んだ月子が出会ったのは、良太そっくりのタヌキリョウタタヌキにまたがり月子が向かったのは、打ち身に効くというタヌキの温泉。心を映し出す草原のスクリーンに10年前の亡き母との思い出を見る月子

 そこは幼いころの良太との思い出の場所でもあった…

 現実に戻った月子をおぶって、二人の思い出の草原を歩く良太は、いつもながらの低俗さながら… 何処か優し気。 まるで “紅い花”シンデンのマサジの様に…

 幽鬼が原リョウタタヌキが初登場。


週刊漫画サンデー 1984年 6月 5日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第8話

 突然シナリオライターを辞め九鬼谷へ戻った英一は、実家の水道屋・野島設備を継ぐと言い出すが… たまたま九鬼谷へ戻っていた小説家のも、毎度の事ながら筆を折ると…

 意気投合した二人の “知の狩人” ならぬ “痴の掛かり人(かかりうど=いそうろう)” は、すべてを辞めて、ついでに考えることもやめるが…

 第134話『落花生』(1982年 2月16日号) で初登場した小春が脇役で登場。


週刊漫画サンデー 1984年 6月12日号掲載

マンサンコミックス 26巻 第9話

吾一 – 旅館・福の屋の長男。

池上真澄 – 吾一の初恋の女。

伊藤 – 紳士服イトウの店主。吾一の同級生。

 東京での業界紙の仕事に見切りをつけ、故郷の九鬼谷へ戻って来た吾一が出会ったのは、今ではコールガールとなった初恋の女性真澄。同級生の真澄の間にも吾一には話していない関係が…

 福の屋の跡取り吾一と肉体労働者のの、一人の女をめぐる青春時代苦い思い出と、すべてが終わった後の不思議な友情が描かれる。

 第185話『貧乏出身』(1983年 3月 8日号) で初登場した大和武が久しぶりに登場。

 第243話『ジロリの男』(1984年 6月26日号) で主役となる次郎兵衛が初登場している。


週刊漫画サンデー 1984年 6月19日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第1話

高千穂一起 – 元大地主の末裔。

 久美子とケンカし、にわかに硬派に目覚めたテツヒカルヒロシさらには良太まで巻き込んで結成したのは、九鬼谷の乱れを正す「九鬼谷若獅子隊」。そこに現れたのは、ひ弱ないじめられっ子がボディビルで肉体と人格を変えたという高千穂一起

 没落した高千穂家の末裔、サイコパス一起は、九鬼谷を大掃除するテロを実行しようとする。


週刊漫画サンデー 1984年 6月26日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第2話

次郎兵衛 – 骨董品店・幽鬼堂店主。

信彦 – 次郎兵衛の長男。

あざみ – 信彦の浮気相手の芸者。

 今回は、これまでも何度か通行人に紛れて登場していた次郎兵衛が主役。

 次郎兵衛の長男で設計士の信彦は、ここ数年間商品が動いていない幽鬼堂の改築を計画する。良太を参謀(?)に “新時代に合せて体質を改善” しようとする次郎兵衛だが… 信彦の計画には納得していない。

 あざみ : 「ダンナさん 慣れた道を歩き続けられるって幸せなことじゃないんですか」

 枕芸者のあざみから説教された寡黙な “ジロリの男” は、初めてキッパリと家族たちに言い放つ

 「改造はワシが死んでからにしてくれ」


週刊漫画サンデー 1984年 7月 3日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第3話

殺人事件の被害者と間違われ、戸籍をなくした女。流れ、流れ、流れついたのが九鬼谷温泉――。

エリー(野田圭子) – 置屋・ひさやに流れ着いた元ホステス。

殺人犯の男 – 少なくとも5人を殺し、ホンコンに逃亡を企てる。

 毎度のことで百合奴とケンカし家出を企てる直美を思い止まらせたのは、ひさやの新入り芸者・エリー

 殺人事件の被害者に自分の名前を使われ “一度死んだ女” エリーこと野田圭子は、自分を利用した殺人犯の男九鬼谷で偶然出くわし、 “2回も殺され” かける。

  “人生投げたような女” をも受け入れ、更にささやかな次の一歩を踏み出させたのは、良太直美、そして九鬼谷温泉の風土なのか…


週刊漫画サンデー 1984年 7月10日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第4話

雨の合い間に緑があざやかな季節――。翼ちゃんと同級生の優子のふたりは男の話に花を咲かす……。

藤枝優子 – 小倉城南高校美術部員。

加山 – 裕子に思いを寄せる男子美術部員。

栗原 – 裕子に思いを寄せる男子美術部員。

 花枝の実家・和多屋に間借りし九鬼谷で暮らす、元小倉城南高校美術部の顧問・山下先生。週末に山下が残していった道具類を届けに、新緑の九鬼谷を訪れたと美術部員の優子と、裕子に思いを寄せる加山栗原。美術部の男子の暗さと対照的な良太に何故か惹かれる優子に対して…

 翼 : 「あれはエロダルマの生ごみでプンプンプンのアッカンベーなんやけ」

 花枝山下の馴れ初めは、第223話『湯の国へ』(1984年 2月 7日号)

 美術部員の藤枝優子が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年 7月17日号掲載 

マンサンコミックス 27巻 第5話

ついに九鬼谷温泉にも近代化の波が……!? 広大な草原、幽鬼が原の開発をめぐって村は大騒ぎ!!

座間美左ェ門 – 隠居後も政財界に太いパイプを持つ黒幕。

 九匹の鬼を封じ込め、カッパとタヌキの古戦場だったともいわれる幽鬼が原に、旅館組合長の古ダヌキ・松野が進めようとする新温泉建築計画… その黒幕はIT企業を九鬼谷に誘致しようと目論む座間美左ェ門。

 タヌキの中のタヌキ・座間美左ェ門に対して、幽鬼ダヌキに扮した良太と、久美子直美、そして松野の孫娘・麗子の、三匹のメスダヌキは…


週刊漫画サンデー 1984年 7月24日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第6話

なにも所有しない、なにも生産しない、という仙人のような生活を目指して英一が友人と山にこもる。

木暮恭三郎 – 詩人。雑誌哲」の編集者。

開明総一郎 – 恭三郎の義理の父。

 『痴の掛かり人』として筆を負った英一の実家の倉庫を拠点として、“なにも所有しない なにも生産しない”  生活を始めた詩人の恭三郎

 英一には百合奴との暮らしが、恭三郎には大物の義理の父が… それぞれの後ろ盾に守られながら続ける “深刻ごっこ” の結末は…

 英一達の “深刻ごっこ” を見事なまでに論破するのは、良太月子九鬼谷流リアリズム


週刊漫画サンデー 1984年 7月31日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第7話

いよいよ本格的に夏。陽ざしのあつさに、翼の月子へのライバル意識がまたまた燃えあがる――。

 良太をめぐって月子にライバル意識を持つだが… 月子“あいつ” とは “ちょっとした夫婦なんかよりずっ長い” 17年間の付き合い。なんだかんだで心が通じ合う二人を前にして、は…

 今作での、テンポの良い良太月子の掛け合いは絶妙!!

 月子 : 「ふんとにも~ あいつは~」

 とはいえ… 月子へのツッコミもなかなかのもの…


週刊漫画サンデー 1984年 8月 7日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第8話

受験をひかえる夏休み。ネズミは勉強のために九鬼谷のバンガローに。翼も親とやってきて……。

 ネズミは受験勉強の為にバンガローに籠りに、 翼ママは夫婦喧嘩の気晴らしに、を連れて、それぞれ九鬼谷へやって来た。まんだら屋に泊まる翼母娘に、ネズミ良太月子も合流。そこに突然やって来た翼パパからの提案で、揃って海水浴へ出かける事に…

 たちから冷たくあしらわれたネズミの関心は月子へと傾いていく…


週刊漫画サンデー 1984年 8月14日号掲載

マンサンコミックス 27巻 第9話

奈津美 – 下関から来たサーファー。

 翼パパの会社の海の家に滞在する良太達。朝の海辺で月子が目撃したのは、男と熱いくちづけを交わす奈津美の姿。

 “くちづけ” に関しては、良太とのトラウマ級の記憶しかない月子と、ネズミとの “なかった時間” にしたい体験しかない

 雨の海辺を二人きりで歩く二人。一瞬のあま~い雰囲気に、良太に唇を許そうとする月子だったが…


週刊漫画サンデー 1984年 8月21日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第1話

人一倍教育熱心でまじめな女先生。同僚の日ノ本先生にひそかな思いをよせているのだが……。

森山先生 – 九鬼谷小学校の女性教諭。

永山啓介 – 森山の教え子の小学生。

 日ノ本に密かに思いを寄せる被害妄想気味の女性教諭・森山は、月子に嫉妬し熱湯をかけようとした現場を教え子の啓介に見られてしまう。

 啓介の口を封じるために、“二人だけのヒミツ” の淫行に及んでしまう森山

 子供達にとって太陽の様な存在の女先生・森山を象徴する “ヒマワリ” が、秘密を知りながら先生との関係を求めてしまう啓介の目には、歪んだ性の象徴として映る…


週刊漫画サンデー 1984年 8月28日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第2話

カッパの王様がひん死の重体!? カッパ王国から派遣された使者が、なぜか月子をつけねらい……。

餓太郎 – 人間から九鬼谷を取り戻そうと企てる。

 重病のカッパの王の治療の為、処女の肝を求めて月子を誘拐しようとするカッパの餓太郎と、それを食い止めるため(?)、月子の処女を奪おうとするカッパのリョウタ

 月子と共にカッパの王国に連れ込まれた良太久美子。すでにカッパの王は亡くなっており、人間との争いを企てるが餓太郎は逮捕され、王の葬式で盛り上がるカッパの王国

 久しぶりに九鬼谷パラレルワールドの住人達が登場。


週刊漫画サンデー 1984年 9月 4日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第3話

如月与三郎 – お役者晴司の弟分。

よしこ – 解散した花園組組長の娘。

はるこ – よしこの妹。

やす子 – よしこの娘。

耕太郎 – 花園組の看板を残し会社を設立。よしこの婚約者。

 花火大会を控えた九鬼谷に、よしこに未練を残してやって来た与三郎与三郎にまんざらでもないよしこの妹はるこ与三郎よしこへの思いは見事に空回り… ふられ与三郎にフラれたはるこは…

 花火大会当日の山焼きで、よしこの結婚を祝おうとする与三郎だったが… 良太が相棒というのが悪かった…


週刊漫画サンデー 1984年 9月11日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第4話

夏の海水浴以来思いをよせる女性が翼から月子へかわってしまったネズミ。一大決心をするが……。

 すっかりから月子へ恋愛対象が変わったネズミは、月子との肉体交渉を企てる。ある時はイタチに、またある時はナメクジハエゴキブリウジ虫セミに…

 卑屈な “虫男” の目論見は、巨大なイモ虫(良太)くしゃみ一つで吹き飛ばされる…


週刊漫画サンデー 1984年 9月18日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第5話

五ェ門 – 雲取りの一族の女。

 既に姿を消したと思われていた山窩(サンカ)雲取りの一族。20年ぶりに里に下りてきた、一族からも魔物と言われる女・五ェ門は、狸小路で客を取り、稼いだ金はその日のうちに飲み食いで使い果たす、社会の枠に収まらない自由奔放な女

 今回は山に戻った五ェ門は、今後雲取りの一族と共に度々物語に登場する事になる。

 雲取り一族と、五ェ門(ゴエモンチャン)が初登場!!


週刊漫画サンデー 1984年 9月25日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第6話

鶴松亀ェ門 – フィリップ・マーロウを気取ったよろず屋。

美紗子 – とある大手商社の社長秘書

洋平 – H商事の御曹司。

シュミット – H商事の動きを探るアメリカ人。

ジョンソン – 穀物ブローカー。やはりH商事の動きを探る。

 興信所に依頼のあった大手商社の社長秘書の身辺調査を、担当者から請け負った鶴松亀ェ門。

 まんだら屋に宿をとった “レディM” こと美紗子は、ライバル会社のバカ息子・洋平からH商事のアメリカ進出の情報を聞き出し、対立する2国のスパイ・シュミットジョンソンを手玉に取るが…

 H商事はあえなく倒産… 亀ェ門グロックPi80に射抜かれた美紗子は…

 鶴亀さんこと鶴松亀ェ門が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年10月 2日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第7話

善さん – 仏の善さんを地で行く無欲な老人。

町子 – 善さんの妻。

 善さん夫婦が朝鮮戦争の特需景気に沸く九鬼谷に流れついたのは、34年前のセミの鳴く夏の終わり。 夫婦“ついでに生きた34年” の間に築いた全財産の九鬼谷への寄付を申し出た直後に、妻の町子は穏やかに息を引き取る…

 夫婦の過去を知る春助に、町子ばあさんの遺言に従って、若い頃の二人の姿をとらえたブルーフィルム “葉隠れ” の葬儀の場での上映を託す善さん… 哀しい過去を抱えた二人が、共に死ぬつもりで流れ着いたのも、生き直す決心をしたのも、どちらもこの九鬼谷温泉

 善さん : 「たのむ 春さん 私らウソついたままで死にたくないです」


第258話 『山猫』

週刊漫画サンデー 1984年10月 9日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第8話

猫山 – 宝塚と少女マンガを地で行く演劇部部長

犬丸 – 猫山に翻弄される演劇部員。

 月子が請け負った、文化祭での演劇部のシナリオ “猫族と犬族の争いを収める女王山猫” の恋愛物語。傲慢な山猫・猫山に振り回される演劇部員達…

 演劇部員の一人として笹沢香織が登場。


週刊漫画サンデー 1984年10月16日号掲載

マンサンコミックス 28巻 第9話

文化祭の本番までもうあとわずか。ところが演劇部のワンマン部長猫山が失踪騒ぎを起こして……。

猿田 – 花園歌劇団の元営業部長。

 退職後も花園歌劇団の社名を語るペテン師・猿谷に騙された猫山は、月子のシナリオへの出演を拒否。猫山に代わって主役に抜擢されたのは、“あのドラ猫に対抗できるデシャバリはあんたしかおらん” 月子!?

 演劇部員の一人として登場した立石ユカは、笹沢香織と共に、第263話『収穫祭』(1984年11月13日号) で再登場する。


週刊漫画サンデー 1984年10月23日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第1話

 秋のお月見に、九鬼谷温泉“月の宿” 夕月荘へやって来た。熱を出して寝込んだ月子公認で、良太とデートに出かけるだったが、相変わらず一線を越えない良太。二人とも何故か月子がいないと調子が出ない…

 良太 : 「おまえ 月子が好きなんやろ」

 良太月子との関係と同様に、月子もまた、お互いに表裏一体の存在として、今後もこの不思議な三角関係(?)は継続していく…


週刊漫画サンデー 1984年10月30日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第2話

青山美樹 – 見返り茶やの中学生の娘。

美樹の母 – 乗っ取られた兼松旅館の娘。

 人通りの少ない旧道の見返り峠に茶屋を出す母娘。中学生の娘・美樹と、九鬼谷を恨みながら体を売って生計を立てる。 帰郷を待ちわびていた息子・克彦も身を持ち崩し逮捕されてしまう… 母親を捨てた美樹は、振り向くことなく見返り峠を後にする。

 第381話『卒業』(1987年3月31日号)で、青山美樹美樹の母は再登場する。

 冒頭のシメジ取りに山に入ったオカッパ頭の美樹や、茶屋をのぞき込むシーンの描き方に、つげ義春へのオマージュを感じさせる作品。


週刊漫画サンデー 1984年11月 6日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第3話

都会で夢破れ帰ってきた男。自己陶酔が激しすぎ、故郷にもなじめない。そして今夜も自分に酔って候。

雪夫 – 前衛舞踏家、元漫画家

元「百人組」の女 – 雪夫の元妻。

 漫画にも前衛舞踏にも挫折し、妻にも棄てられ、九鬼谷へ戻ってきた雪夫は、自分の周りの人間を “軽蔑して絶望して苦悩する自分の姿が好き” という自己陶酔男

 新興宗教団体に変貌してしまった前衛舞踏集団「百人組」を抜けた幸夫の元妻九鬼谷へ…

 月子 : 「理論じゃ生きられんち納得するかあきらめるかするトシやないん」


週刊漫画サンデー 1984年11月13日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第4話

笹沢香織 – 小倉城南高校演劇部員。Ⅰ年生。

立石ユカ – 小倉城南高校演劇部員。2年生。

 第258話『山猫』(1984年10月 9日号)・第259話『花のステージ』(1984年10月16日号)で初登場した演劇部員・香織ユカが再登場。九鬼谷温泉夕月荘に泊まる二人の目的は、父親の解らない子供の堕胎手術。さすらい産婦人科医ドクター・マンダラ(?)は産婦人科医と話をつけるが…

 月子 : 「そう聞いとった?」

 良太 : 「いや……」「ますますもって女性不信におちいる今日このごろでごぜえますです」


週刊漫画サンデー 1984年11月20日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第5話

マイク – 黒人の男娼。

真琴 – マイクに本気の半玉。

 母の病気治療の為に、九鬼谷で体を売る黒人男娼・マイク日ノ本の英会話教室との両立の提案にも…

「儒教では教育と売春を両立させろと説いているのか?」

 芸者を辞めてマイクとサンタモニカで暮らそうとする半玉の真琴は、姐さん達にヤキをいれられ、マイク晃(総長)達に襲われるが…

 晃(総長)は、第269話『総長』(1984年12月25日号)で、改めて再登場する。


週刊漫画サンデー 1984年11月27日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第6話

阿修羅 – 晴司元義兄弟

大下 – 鬼頭組組員。

畑山浩吉 – 晴司に盃を受ける事を望む若者。

 突然九鬼谷へ乗り込んできた晴司の元義兄弟阿修羅は、戦後の焼け跡での愚連隊気分を引きずり “怒りの爆弾をかかえたまんま、歳をとりそこねた男”

 仲良会若頭鬼頭が仕切る鬼頭組から、大下を通して持ち掛けられた取引にも…

 「守りに入った組織の犬っコロなんざ屁でもないわい」

 第70話『お役者晴司』(1980年10月21日号)・第86話『死闘!九鬼谷』(1981年 2月17日号)で登場した多聞天蔵は、仲良会系 “多聞組” の頭として組織に属し、晴司との義兄弟関係も辛うじて保っていたが、今回登場した阿修羅は、いずれの組織にも靡かない危険なアウトロー

 第219話『ホワイト・クリスマス』( 1984年 1月 3日号)で初登場した“万金組”万田金一郎が久々に登場。


週刊漫画サンデー 1984年12月 4日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第7話

お役者晴司の元兄弟分・阿修羅によって、ついに九鬼谷は暴力団の抗争に巻きこまれてしまったが…。

 遂に天狗屋との抗争を開始した阿修羅だったが、仲良会とも分裂し、万金組からも狙われ、鬼頭組大下晴司に無きを入れる…

 裏切った大下も、自分の舎弟達も撃ち殺し、独り晴司と渡り合う阿修羅

「兄ィまっとけよ~ カスどもの血ィ洗いおとして迎えにいっちゃるけ」

 晴司と刺し違え、湯畑に散った血に飢えた無頼漢・阿修羅。断末魔の阿修羅の脳裏に浮かんだのは、晴司と共に過ごした戦後の焼け跡の光景…


週刊漫画サンデー 1984年12月11日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第8話

いま売り出し中の女優が九鬼谷へロケにくることになった。この女優、出生がナゾなのだが……。

美佐子(宮本輝子) – 九鬼谷のはずれ神喜村出身の女優。

時夫 – 美佐子のはじめての男。

御手洗順造 – 宮本輝子を追う芸能リポーター。

 九鬼谷へロケの為にやって来た “過去を語らない女優” 宮本輝子は、実は苦い思い出と共に九鬼谷を捨てた久美子の従姉・美佐子。そして…美佐子久美子も揃って重度の便秘

 過去のスキャンダルを追う芸能リポーター御手洗の目の前で、美佐子は…

 「ほら九鬼谷を征服よ。過去なんてウンチでしかないのよ」

 久美子の従姉・美佐子(宮本輝子)が初登場。


週刊漫画サンデー 1984年12月18日号掲載

マンサンコミックス 29巻 第9話

グルメ=美食家が九鬼谷へやってきて、まんだら屋の食事を採点。結果は最悪なことに……。

獅子隼人 – 美食評論家・ライオン隼人。

隼人の妹 – 兄・隼人を家庭に戻そうとする妹ライオン

 大手観光会社の調査で九鬼谷の食を採点する胃弱のグルメリポーター隼人は、北九州財界の大物・獅子健造の孫。妻も子供も棄てて祖父の財産を食い尽くす隼人を、穴場の露天風呂に誘う良太“月見湯” に向かう山中で道に迷った二人は…

 良太 : 「スポンサーの銭で 薬の力で 食いたくないもんまで食うて味がわかるか?」「ワガの銭で ワガの胃袋で勝負せんかい!」

 第116話『父』(1981年10月6日号)で登場した馬七が、久々に再登場している。


週刊漫画サンデー 1984年12月25日号掲載

マンサンコミックス 30巻 第1話

チンピラを集め総長におさまっている男が百合奴に片想い!? 相手は人妻、つれない恋だねえ。

九鬼谷のチンピラ4人を束ねる総長。

原黒 – 売春宿の経営者。

黒田 – 売春宿「鶯」のオーナー黒さん(?)

 幼馴染の百合奴には頭が上がらないは、晴司からの天狗屋への誘いも断り、たった4人のチンピラたちを仕切る九鬼谷の愚連隊の “総長”。売春宿の経営者・原黒から、黒田百合奴の弱みを握るネタを持っていると聞かされたは…

 がかつて憧れた若く美しかった百合奴も、今や立派なブタ女房

 晃“男の純情” は、むなしく空回り…

 第41話『染子の春』(1980年 3月18日号)等で登場していた「鶯」のオーナー黒さんと、今回登場する黒田が同一のキャラなのかは… 不明…


 この年・1985、新たに九鬼谷温泉艶笑騒動譚の舞台に加わったのは、

“死神の万金”万田金一郎。元小倉城南高校の美術教師・山下先生とその妻花枝のボーイフレンド花岡慎太郎百合奴の従姉榛名裕子幽鬼が原リョウタタヌキ。幽鬼堂店主“ジロリの男”次郎兵衛の父翼パパ。九鬼谷小学校の女性教諭森山先生山窩(サンカ)雲取り一族五ェ門(ゴエモンチャン)。よろず屋の鶴松亀ェ門。小倉城南高校美術部員藤枝優子演劇部員猫山笹沢香織立石ユカ見返り茶や青山美樹その母晴司の元義兄弟阿修羅久美子の従姉美佐子(宮本輝子)。チンピラの総長

 第270話~第319話 全50話 (12月に2週、産休の為休載)は、

『まんだら屋の良太』の10年 ( 其の七・1986年 ) にて…

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